2014年1月16日木曜日

南区に足りない58ヘクタールは、東京ドーム12個分

地方分権を推進する流れを受けて、都市公園法施行令に定められていた公園設置に関するルールが、地方自治体の定める条例で決められることになりました。
さいたま市でも、平成25年4月1日から、さいたま市都市公園条例が施行されましたので、そこに定められた一人当たり公園面積に基づき、さいたま市南区において条例の目標に届かない公園面積を視覚的に明らかにしてみました(注1)。



まず、条例に書かれた一人当たり5㎡の公園目標をどれだけ達成できているかを棒グラフにしました。

南区全域を市街地とみなし、水増しが強く疑われる緑道を含めた計算でも、34パーセントしか達成していません



図Ⅰ
ヤフーの地図を使っています(赤線は僕がなぞった南区の境界線です)。
オレンジ色の丸が、東京ドーム(4.67ha)の等寸大で、一人当たり5㎡(市街地の基準)としたときの不足分です。
紫色は1人当たり10㎡(市内の基準)です。

次に、東京ドーム12個分を図示しました。

図Ⅰの丸は、等倍率の東京ドームをコピーしたものなので、
面積もこの通りで4.67haを表します。
オレンジ色が1人当たり5㎡を基準にして不足する58ha分となります。

4ha程度の広場を各地に分散させることで、対策を取るのが現実的だと思います。
条例上ではオレンジの丸が追加面積の最低目標です。



図Ⅱ
等倍率の大宮公園等を張り付けました。
①は等倍率の大宮公園(35ha)で、②は等倍率の大宮第二公園(22ha)で、合わせて57haです。

続いて、大宮公園を重ね合わせました。

①大宮公園は、35ha≒590m×590m
②大宮第二公園は、22ha≒469m×469mです。

大宮公園を、武蔵浦和駅の南東部分に重ねると、
埼京線・武蔵野線・国道17号で挟まれたエリアを大きく覆うことが分かります。
地元の方には、35haを実感して頂けるのではないでしょうか。



図Ⅲ
ピンクは整備済みの30ha = 547m×547m
水色は市街地基準に不足する58ha = 761m×761m
緑色は市内基準に不足する88ha = 938m×938m
の等倍率表記です。

最後に、整備済みと不足分を正方形で重ねてみました。

条例では、市街地で①+②以上、市内で①+②+③の公園整備が目標となっています。



ご覧のように、今までの整備の怠慢のつけが大きすぎるので、少々の対策では焼け石に水となります。
子どもの成長にも、市民の憩いにも欠かせない公園は、大きな震災発生が確実視される現在では、それ以上の価値を持っています

 そこで、歳出の一定割合を公園取得費用に充てるなどの厳格なルールを作り、誰がやっても(職員は数年で異動します)図Ⅲの水色で示された最低整備目標を達成できるようにすべきです。
 今までのやりかたでは、公園整備不足を原因とする広域避難場所の整備の遅れについて、他市の職員に「驚きを隠さない」とか「言葉を失った」と表現されてしまうような実績しか残せません。



ところで、自ら公園を増やす数値目標目標を入れた条例を作っておきながら、何ら手を打たないということが許されるのでしょうか。
この可否については、別途調査中です。

最後になりますが、今回は、58haについて、埼玉市民オンブズマンネットワークの会合で、「数値だけでは実感しにくいだろうから、東京ドーム何個分とか、分かりやすく訴えるべきではないか。」とのご指摘をいただいたのをきっかけにして投稿を作りました。
直接の面識のない方からでも、公園不足・避難場所不足の解決に向けたアドバイスを頂けたら幸いです。
ダメ出しでも構いませんので、ご意見があれば、ツイッターやフェイスブックでご連絡をお願いします。

(注1)
さいたま市都市公園条例第1条の2に、「市内の都市公園の住民1人当たりの敷地面積の目標は、10平方メートル以上とし、市内の市街地の都市公園の当該市街地の住民1人当たりの敷地面積の目標は、5平方メートル以上」とあるので、
177,873人(2014年1月区報)×5㎡=889,365㎡≒88.9ヘクタール
となり、2013年9月現在の整備面積30.86haを引いて
88.9ha-30.86ha=58haが整備目標面積となります。

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