2012年4月27日金曜日

さいたま市立辻小学校 学区内の公園

さいたま市立辻(つじ)小学校の学区内にある全ての公園を、さいたま公園ナビの地図に付けた番号順にご紹介します。
「水と憩いの広場」から小学生が追い出された経緯も書きます。
市民評価委員会は最後に少し出てきます。
ちなみに、辻小学校は全校児童が例年550人前後になる小学校です。



学校からは「子どもたちだけで学区外に行くときは自転車を使わないように」と指導されています。

しかし、学区内の5つの公園は0.01ha~0.26haの大きさしかなくすべてボール遊びが禁止されています。
学校の校庭は放課後に帰宅した児童のみ17時まで利用ができますが、自転車を禁止しているので、近所の児童しか利用できません(校長に公園の少なさを説明した上で、自転車利用の許可をお願いしましたが、「危険なので」と却下されました。学校は我が家からは1キロ離れているし、放課後の帰宅が16時過ぎですから、健脚な長男でも4年間で一度も校庭を利用したことがありません)。

ですから、実際に小学生が公園で遊ぼうと思ったら、①~⑤の公園内で鬼ごっこかジョギングでもするか、携帯ゲームでもするしかありません。
実際は、放課後に体を動かしたい子どもたちは、公道で遊ぶか、学校からの言いつけを守らないで学区外の公園(それでも大きな公園はありません)に行くか、マンションの廊下で遊ぶかしてます(もちろん、外出せずに「うち遊び(←僕は聞いたことがありませんでしたが、長男が言ってました)」に興じる児童もずいぶんいるようです)


都市公園法施行令では、徒歩500m圏内に2haの近隣公園を設置するのが決まりです。
子どもの権利条約31条では(都市公園課の職員が知らなかったとしても)「児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動」をする権利が認められていますし、児童憲章9では「よい遊び場」を与えられることも明記されています。
さいたま市はこれらの法規を実現すべく真摯に努力してください。

高学年の児童~中学生までが周囲に迷惑を掛けずに安心して遊ぶには、法定通り2haの近隣公園(徒歩500m圏内)か4haの地区公園(徒歩1キロ圏内)を整備するべきですが、短期・中期的には今ある公園を工夫してあげるべきです。
さもないと、またマンションの転落死亡事故が起きるでしょうし、交通事故が起きることも十分に予期できる状態です。
この実態から、市は目をそらしてはなりません!

子ども未来局、教育委員会や生涯教育課にソフト的な対応をお願いしましたが、「そもそも公園が少ないのが…」と、どこも手を打ってくれず、結局は大人たちが無責任にも子どもたちに全てを負わせています。


辻小学校 学区内の公園
②③がある辻三丁目は辻南小学校の学区とされているが、辻小に通学している児童もいる。
また埼京線より西側の内谷6丁目と7丁目は辻小の学区とされているが、ほとんど沼影小学校に通っている。


山口第一公園 0.02ha


山口第二公園 0.02ha



鉢の木公園(改修前) 0.26ha

2011年末からの改修後の様子は後日アップします

辻5丁目第一公園 0.01ha



中辻公園 0.18ha



水と憩いの広場
2011年4月に突然、張り紙が張り出されて小学生が立ち入り禁止にされ、我が家の長男も含め、たくさんの小学生が追い出されました。
公園の状況を説明した上でお願いをしても、水道局からは「高学年は危ないから」と利用を禁止されています。
なんとか活用する姿勢を見せて欲しいです。

敷地の半分がプールになっています。確かに夏はありがたいですが、それ以外の時期は利用できません。



敷地の半分がグラウンドゴルフ場になっています。2011年4月まではたくさんの小学生が遊んでいました。

2011年4月に突然この張り紙が出されました。
子どもたちに敷地半分の利用を禁止しました。

保護者同伴の幼児限定でグランドゴルフ場の利用が許可されました(後日小学生低学年までと訂正)。
水道局は「高学年の遊びが危険だから」と言ってます。
こんな小さな場所で高学年の子どもたちが遊んでいたのは、都市公園課が法定の公園を設置してこなかったことに原因があり、子どもたちには一切責任はありません

以上のように、辻小学区内には子どもたちが年齢に適した遊びができる公園がありません。
しかし、ここに公園を新設する予定は一切ないそうです(無償で土地が提供されれば別)。



2011年6月27日に都市公園課に出向き、「学区内で遊ぶのが原則になっている以上、小学校の学区ごとに公園の状況を把握して、公園が少ない学区を優先して公園を設置していくべきだと思うので、まずは学区ごとにどれだけ公園があるかを把握して、公表してほしい」とお願いしました。

7月19日に都市公園課Mさんから「行政区として把握していれば十分だと考えているので、学区ごとの把握はしない」「都市公園課の公園不足対策は、市民評価委員会から10段階のうちで9の高い評価を受けている」と言われました。

市民評価委員会…。
南区の一人当たり公園面積は法定の5㎡の半分以下の1.73㎡だから、赤点レベルだと思うんですけど、10段階で9ということは、5段階評価で5ですか。


2012年4月23日月曜日

公園の価値

公園がもたらす効果について、「防災公園 計画・設計ガイドライン」(監修:建設省都市局公園緑地課 建設省土木研究所環境部 平成11年発行なので阪神淡路大震災も踏まえている)に端的にまとめられていたので、ご紹介します。

「緑とオープンスペースの持つ防災の役割」について触れる前に、「緑とオープンスペースがもつ役割」がまとまっていました(P.8)。

緑とオープンスペース(公園)には、存在効果(公園の存在が都市構造上にもたらす効果)と利用効果(公園を利用する住民にもたらされる効果)があるそうです。

存在効果として、
心理的効果 ・緑による精神的健康、都市景観美化修景、災害等に対する安堵感、郷土意識の涵養
経済的効果 ・周辺地域に与える付加価値 ・医療費等の軽減
などが挙がっています。

利用効果としては、
ア. 肉体的健康 
イ. 精神的健康 
ウ. スポーツ・レクリエーション等の技術の習得と向上及び体力の増進 
エ. 教養、文化、郷土意識の涵養
オ. 社会性の増進、コミュニティ活動の場
カ. 災害対策の拠点
が挙げられています。

これらに加えて、公園の持つ防災機能を考慮すれば、さいたま市南区の子どもたちの被っている損失は計り知れないと言えるでしょう。
子どもたちにとって、公園によって培われる肉体的健康、精神的健康や社会性の増進が大事なのは言うまでもありませんが、さいたま市南区で育っている子どもたちの郷土意識の涵養が充足されにくいと思うと、ここで生まれ育ったものとして非常にさびしい気持ちになります。

2012年4月18日水曜日

さいたま市の防災計画は大丈夫なのか

長くなりますが、話は2点です。
 ①さいたま市南区役所は武蔵浦和駅周辺のマンション密集地帯の避難場所について、住民の人数も、避難場所に収容できる人数も把握していないこと。
さいたま市が政令市の中で広域避難場所を確保していない唯一の市であること。


さて、 今年の3月23日のNHKの朝のニュースで、「被災マンションにとどまれない」という話題が出ました。

東日本大震災の後に、筑波大学の糸井川教授らが仙台のマンション住民3300人にアンケートをした結果、31%の住民が被災したマンションにとどまれなかったことが判明したというものでした。
それ以前は、マンションの住民のうち、避難する必要が出るのは15%と想定して各自治体が避難計画を立てていたので、その倍の避難所が必要になったわけです。

ここで、マンション住民率が9割を越える東京都中央区の月島地区の話になりました。
中央区の平成18年の防災計画では43000人の住人の15%の6700人分の避難所を整備したそうですが、6年経過して人口が増加したし、避難する住民が31%になると、避難所は足りなくなる。
そこで、中央区の職員が、個別にマンションを回り、各マンションごとの防災計画を話し合って対策を立てているそうです。

このニュースの結論として、住民側の主体的な対応が必要であるとともに、行政側の態勢作りも欠かせないという意見が出ていました。


このニュースを見て、武蔵浦和駅周辺に高層マンションが立ち並んできている南区役所はどのような防災計画を立てているのか気になりましたので、遅ればせながら本日(2012年4月18日)、区役所に行って問い合わせてきました。
3階の総務課の職員が避難所の書かれた地図を見ながら説明してくれました。
結論は、武蔵浦和駅周辺の地区について、住民の人数も把握していないし、避難所として用意している小中学校の収容人数も把握していないということでした。
区は避難場所として近所の小中学校を開放するので、空いているところを利用してほしいということだけでした。
東京都中央区が住民の人数の変動や東日本大震災の教訓に基づいて対策を講じているのに対して、さいたま市南区は意識が低い気がしましたが、気のせいでしょうか。


次に、さいたま市が政令指定都市の中で唯一「広域避難所※」の設置を怠っていることについて、無くて大丈夫なのか確認をしましたが、「市内に作る予定はあるみたいだ」「南区内には場所がないので」という回答のみでした。

※広島市のHPに「広域避難場所とは、大規模災害において、生活避難場所等が周辺の延焼拡大によって危険になったときの最終的な避難場所です。救援物資の輸送拠点など防災拠点機能も併せ持っています。」と説明があり、市内40箇所が広域避難場所になっています。
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1216013837292/index.html
広域避難場所は防災対策として不可欠に思えますし、不可欠だから、さいたま市以外の政令市は確保しているのではないでしょうか。


ふじわら 「もし今すぐにでも大震災が起きた場合、どう避難誘導するのですか?」総務課 「必要があれば、各家庭で区が用意した避難場所に避難してもらいます」
ふじわら 「では、避難場所の収容人数に余裕はあるのですか?」
総務課 「分かりません」
こんな感じで、南区役所からは、安心できる回答をもらえませんでした。

後日、市役所の危機管理部の防災課に行って話を聞いてレポートします。